ニュースリリース 高分子事業

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高分子事業

2019/1/22

コンクリート湿潤養生シート『アクアパック』の開発について

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 ユニチカ株式会社(本社:大阪市中央区、社長:注連浩行)は、コンクリート構造物の養生技術として、コンクリート面に貼り付けることで、コンクリートの高品質化を可能にし、構造物の長寿命化に貢献するコンクリート湿潤養生シート『アクアパック』を開発しました。



1.開発の背景について

 かつてメンテナンスフリーと言われたコンクリート構造物も、現在、その老朽化により本格的な維持管理の時代を迎えており、その対応が社会問題となっています。

 コンクリートの品質を確保するためには、初期の工程での養生が非常に重要になります。本来、コンクリートの高品質化には、水和反応において必要な水分を供給する湛水養生※1や給水養生※2が最も有効とされていますが、コンクリートの鉛直面や下面では、スペースの確保や水の補給など管理が負担となるため、実際には型枠を存置する方法やシートで覆い乾燥を抑制するなどの方法で行われているのが現状です。

 このような背景の中、当社はコンクリート湿潤養生シート『アクアパック』を開発しました。『アクアパック』は、水をシートにしみ込ませコンクリート構造物に貼り付けるだけで、コンクリート表面に水分を供給するとともに湿潤状態を維持し続け、現場においても水中養生※3同等の高品質化を可能にします。また、シート外面のフィルムが水分を閉じ込めるため、貼り付けた後は水を供給する必要がありません。さらに、再度転用して施工することが可能であり、使用済みシートの発生を抑制し、環境への影響を考慮した製品となっています。

 コンクリート湿潤養生シート『アクアパック』は、簡単な工程で高品質なコンクリートによる構造物の建設を可能にし、経年劣化による品質低下を抑え、長寿命化を実現することで、国民の安全・安心にも寄与する製品です。

※1 湛たん水すい養生:型枠等を堰せきにしてコンクリートの表面に水を張る養生
※2 給水養生:コンクリートに水を絶えず供給する養生
※3 水中養生:水槽の中にコンクリートを浸漬する養生





2.コンクリート湿潤養生シート『アクアパック』の概要について

 ①『アクアパック』の構造

『アクアパック』は2層構造となっており、保水部である天然コットン繊維とポリエステル製非透水性フィルムで構成されます。保水部のコットンには、コンクリート表面の改質効果があるケイ酸塩系水溶液をあらかじめ含浸および乾燥させており、コンクリートに貼り付ける際、保水部に水をしみ込ませるだけで貼ることができます。




 ②『アクアパック』の特長

 ・シートに水をしみ込ませるだけで簡単にコンクリートに貼ることができる。

 ・貼り付け後、養生が完了するまで水の供給が不要。

 ・現場打ちコンクリートに水中養生と同等の養生が可能。

 ・転用が可能であり、繰り返し使用することでコストダウン。

 ・使用済みシートの発生が抑制されるエコなコンクリート養生シート。




 ③アクアパックの養生効果

アクアパックでコンクリートの養生を行うことで、従来方法である封緘養生以上で、かつ、水中養生と同等の圧縮強度を得ることができます。また、封緘養生※4及び水中養生以上にコンクリート表面を緻密にすることができるため、コンクリート表面からの二酸化炭素や塩化物イオンなどの侵入を低減し、中性化や塩害による劣化を抑制することができます。

以上のアクアパックの養生効果により、従来の養生と比較しコンクリートの耐久性が向上し、経年劣化による品質低下を抑え、コンクリートの長寿命化を実現することができます。なお、アクアパックを転用した場合でも養生効果は低下しません。(2018年度土木学会全国大会投稿)。


 【コンクリート劣化メカニズム】

CO2(二酸化炭素)やCl-(塩化物イオン)がコンクリート表面から侵入し、中性化や塩害を引き起こし、コンクリート中の鉄筋が錆びることによってひび割れが発生します。このひび割れからさらに鉄筋の腐食が加速し、コンクリートの剥離によりコンクリートが劣化し耐力が低下します。


※4 封緘ふうかん養生:コンクリート中の水分の蒸発を防ぐ養生



 ・圧縮強度試験結果

 従来方法である封緘養生以上の、また、水中養生と同等の圧縮強度を得ることができます。

 図2の封緘養生とアクアパック初回を比較し、約10%の向上効果があります。


※本体の強さを表す指標。コンクリートが強いほど値が大きくなる。


 ・透気試験結果

 従来方法である封緘養生や水中養生よりも透気係数※が小さくなり、コンクリート表面を緻密にすることができます。

 図3の封緘養生とアクアパック3回目を比較し、約2.8倍の効果があります。


※空気の通しにくさを表す指標。コンクリート表面が緻密であるほど値が小さくなる。


 ・促進中性化試験結果

 従来方法である封緘養生以上の、また、水中養生と同等の中性化抵抗性を得ることができます。

 図4の封緘養生とアクアパック初回を比較し、約12%の向上効果があります。


※中性化になりにくさを表す指標。コンクリート表面が緻密であるほど値が小さくなる。


3.今後の展開について

 2019年春頃から販売予定です。

 価格未定。



以上



<この製品に関するお客様のお問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 スパンボンド営業部
TEL:06-6281-5360


<この製品に関する報道関係からのお問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 広報グループ
TEL:06-6281-5695

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