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企業情報

2020/3/19

(開示事項の経過)当社グループの製品の一部における品質管理上の不適切事案の調査結果と再発防止策に関する最終報告

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 当社及び当社子会社(以下、「当社グループ」)が製造、販売しました製品において、品質管理上の不適切な事案が発生したことにより、お客様をはじめ関係者の皆様に対し、多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことを改めて深くお詫び申し上げます。
 事案の内容や再発防止の取組につきましては、当社ホームページ及び2019年11月1日付「当社製品の一部における品質管理上の不適切事案に関するお詫びとお知らせ」でお知らせしましたが、全ての事案に関してお客様へのご説明が終了し、外部の弁護士による外部調査委員会(以下、「調査委員会」)を立ち上げ、当事者、関係者からの聴取を行うなど原因究明と再発防止策の検討、策定、実行を進めてまいりました。今般、調査委員会から「調査報告書」(以下、「報告書」)が提出されましたので、その概要・再発防止策につきまして下記の通りご報告いたします。


1. 調査の概要

(1)外部調査委員会の構成
当社グループから独立した、弁護士5名
委員長:森信静治 委員:吉村信幸、瀬川武生、奥野弘幸、城之内太志

(2)調査期間
2019年2月12日から2020年1月31日

(3)調査方法

①当社グループから提出された報告書等の資料の精査
調査委員会は当社グループからの報告書、製品の品質検査に関する記録、マニュアル、組織図、当事者、関係者の履歴等、調査のために必要と判断した資料を幅広く収集し、内容を精査しました。

②ヒアリング
調査委員会は当社本社、当社事業所、当社子会社において当事者、関係者からのヒアリングを行いました。

③現場での確認
調査委員会は現地に行き、製造現場、測定室、測定機器等を見分しました。



2.調査対象部門、項目及び概要

(1)不適切事案の対象部門、子会社/主な項目

①日本エステル㈱ 製造部 第2課 / ポリエステル短繊維の捲縮数、捲縮率、熱収縮、繊維長

②当社 不織布事業部 / 不織布の伸度、熱収縮率

③日本エステル㈱ 製造部 第1課 / ポリエステル樹脂の水分率

④テラボウ㈱ / ナイロン樹脂の強度、耐衝撃性、粘度

(2)不適切行為の概要

・測定数値等の改ざん(提出する成績書の数値を改ざんするなどし、合格品として出荷)

・測定数値等のねつ造(測定や検査をせず虚偽の数値を記載するなどし、合格品として出荷)

・測定数値の選別 (実測した数値の中で良い数値のみを採用し、合格品として出荷)



3.事案判明の端緒

①日本エステル㈱ 製造部 第2課 / 当社によるアンケート調査

②当社 不織布事業部 / 当社によるアンケート調査

③日本エステル㈱ 製造部 第1課 / 当社による品質監査

④テラボウ㈱ / テラボウ㈱による社内調査



4.発生原因・背景(報告書からの要約)

(1)規格厳守の意識の欠如

①製品規格※1 を外れていても、外れている数値が用途との関係であまり重視されていない項目のものであれば、実質的に顧客に迷惑をかけることがないと考えていた。

②過去の実績値と比べて同程度の数値であり、自社の製品規格を満足し、同用途で使用されている対象顧客以外での納入規格※2 内でもあったことから、品質自体に問題がなく、少々数値が外れていても構わないだろうという意識が根底にあった。

③実績値と比べて同程度の数値であり、苦情は一切発生していなかったので、納入規格を多少外れても問題ない、あるいは、納入規格を外れた場合に少々数値を修正しても問題ないだろうという甘い認識が根底にあった。
※1 品質に関する社内基準
※2 品質に関するお客様に対して保証する基準

(2)検査体制の不備

①管理職の承認を義務付けていなかったため、検査成績書※3 の発行は、規格外れとなっても担当者のみの判断で修正が可能であり、複数の者によるチェックができていなかった。

②管理職のチェックが行われているが、納入規格に対して検査成績書のデータが規格から外れていないかを確認しているだけであった。
※3 製品の検査結果を示すもの

(3)組織体質

①作り直しのための材料準備や納期遅れなどを避けたいという意識が強かった。

②社内では出荷が可能になるよう製品規格を通すことだけを意識していた。

③不正行為が強く非難される行為であることの認識が欠如または著しく減退していた。

④少数の者が長期にわたり品質管理業務を担当していたことで、他の者のチェックが行き届かなかったり、過剰な権限を有するようになり、不正をしやすい環境となっていた。



5.再発防止策

 当社は、調査委員会からの提言も踏まえ、社外役員が出席する経営会議、取締役会での討議を重ね、以下のとおり、再発防止策を策定いたしました。なお、既にその一部については実施段階にありますが、すべての施策について確実に実行に移してまいります。

 また、再発防止策の実施に先立ち、当社社長がグループ会社を含めた全社の役員、従業員に対して、メッセージ発信や直接的な対話の場をもち、率先して品質保証を含めたコンプライアンスや規範意識の全社的な理解浸透に向けて取り組んでおります。

(1)グループガバナンス体制の強化と行動基準等の見直し(実施中)

①内部統制基本方針を見直すとともに、それに関連するリスクマネジメントやコンプライアンスに係る規程を改定し、グループ会社を含めたガバナンス体制の強化を図ります。

②当社グループの全役員、従業員が認識し行動するための規範となる行動基準等を、より理解しやすいものとなるよう見直し、あらためて徹底を図ります。

(2)組織・仕組みの改善

①品質保証委員会の設置(実施済み)
当社社長を委員長とする品質保証委員会を設置し、再発防止策の遂行状況や有効性を評価し、必要に応じて指示することにより、当社グループの品質保証体制の再構築と強化に努めます。

②品質管理組織の見直し(実施済み)
一部のグループ会社では製造部門の中に品質保証部門が設置されているケースがありましたが、品質保証部門を製造部門から分離、独立させる形としました。

③品質管理関係者の人事ローテーションの活性化(課題)
長期にわたって同一の業務を担当することから生じる、周囲の任せきり、無関心、不正の継続等の弊害を避けるため、人材の流動化を図ります。

④ISO9001の取得(実施中)
グループ会社の中でISOを取得していない部門、会社では、ISO9001を取得して品質管理、品質保証体制の強化を進めます。

(3)教育

①品質とコンプライアンスに係る教育(実施中)
品質保証と規格を順守する意義と重要性、及び関係法令やお客様との契約順守の意義と重要性について、外部講師による講習会も含め、毎年1回以上研修を実施し、従業員の意識改革を行います。

②管理職による教育(実施中)
規格に関する数値の改ざん及びねつ造等の不正は、あってはならない重大なコンプライアンス違反行為であることについて、各部門における管理職により、品質・コンプライアンス教育を行います。

③品質保証ガイドラインの策定(実施済み)
2019年4月に品質保証ガイドラインを策定し、当社グループ内に周知しました。

(4)規格の見直し(実施中)

①納入規格の見直し
縦割りではなく部署をまたいで相互に意見交換をする会議を設けるなど、意見を言いやすい組織風土を醸成していきます。また、営業部門、品質保証部門及び製造部門が協働し、製造工程能力に見合った納入規格及びその製品の用途に必要な適正な検査項目に改定していくよう、お客様への要請等を行っていきます。

(5)試験、検査結果の信頼性向上

①改ざん防止のためのシステム高度化促進(実施中)
試験結果の取り込みや検査成績書への反映などについて、人が介在する機会を最小化すべく、可能な限り自動化することに加え、コンピュータのアクセス権設定の義務化、入力履歴がトレースできるシステムの構築など、数値の改ざんを生じさせない管理システムを早期に構築する予定です。自動化が困難で手入力を介さざるを得ない試験においては、管理職による実測値と検査データ及び検査成績書との整合性確認をより厳格に行う体制とします。

②品質管理監査の実施(実施中)
当社技術開発本部内に設置した品質保証室による品質管理監査を2019年8月から開始しています。当社グループ内の品質保証部門に対し、継続して実施します。

(6)実態の早期把握

①内部通報の拡充(課題)
内部通報窓口の利用を促すとともに、アンケートを実施するなど、積極的に現場の声を把握するよう努めます。



6.関係者の処分

 今般の調査結果、社内調査、規程に基づき、未処分の関係者に対し、厳正な処分をいたします。



7.業績への影響

 お客様へのご説明は全て終了しましたが、製品の使用が停止となった事案はございません。今後、業績に重大な影響が見込まれる場合には速やかに開示いたします。



8.おわりに

 本事案を単に品質管理体制の不備とするのではなく、組織風土や役員・従業員の意識、ガバナンス全般の問題と捉え、当社グループの品質に関する規程等を新たに策定し、また、行動基準等も見直し、今後はそれらを周知徹底してまいります。当社グループの全役員、従業員が一丸となり、不退転の決意で、再発防止に努めてまいりますので、何卒ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。


以上


※添付資料 調査委員会による【原因・背景】と【提言】はPDFにてご覧ください。

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