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2025/9/11

導電性ナノワイヤー樹脂複合材料の新特性を発見 ~モーター、パワーデバイス、電池電極等への応用に期待~ <総合研究所>

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ユニチカ株式会社(本社:大阪市中央区 社長:藤井実、以下「ユニチカ」)は、大阪公立大学大学院工学研究科 物質化学生命系専攻 高分子化学研究室 堀邊英夫教授との共同研究において、導電性ナノワイヤー※と樹脂を組み合わせた複合材料は、温度上昇に伴う相構造や体積の変化に導電率が影響を受けにくいことを見出しました。


1.開発の背景について

一般的に、導電性フィラーを樹脂に充填すると常温では導電性を示しますが、温度上昇に伴い電気抵抗が急激に上昇し電流が流れなくなる現象(PTC特性)が生じます。堀邊教授は、このPTC特性に着目し、樹脂中の導電性フィラーの分散状態や転移温度と電気抵抗の関係を解析し、永久ヒューズなどへの応用が可能な新規材料の開発を進めています。


2.研究成果について

本研究では、ユニチカが開発した導電性ナノワイヤーを樹脂に充填し、その解析を行いました。その結果、図1のように温度変化に伴う体積膨張が起きても導電性ナノワイヤーはフィラー間のネットワークが切断されにくく、高温下でも安定して電流を流すことが可能という特性が確認されました。これは従来の金属粒子、炭素粒子、カーボンナノチューブなどの導電性フィラーでは得られなかった新しい知見です。



3.今後の展開について

本成果は、温度変化や体積変化を繰り返し起こすような環境下においても、安定的に電流を流すことができることを示唆するものであり、使用温度領域が広いモーター(電動機)やパワーデバイスの周辺部材、充放電時に体積収縮が生じる電池電極の劣化抑制などへの応用が期待できるものになります。本研究成果を基盤として、優れた新デバイスの開発と社会実装を進め、社会に広く還元してまいります。


【出展情報】

本成果は、以下の展示会において展示いたします。

展示会名 : 第4回ネプコンジャパン(秋)エレクトロニクス開発・実装展
開催日 : 2025年9月17日(水)~19日(金)
場 所 : 幕張メッセ
出展ブース: 7-15 (ユニチカブース)

【補足】

※ユニチカでは、ニッケル、鉄、コバルトの金属をナノスケールの繊維(ナノワイヤー)に加工する技術を開発しています。表1のようにナノワイヤーは同じ金属種の粒子や同じ繊維形状のカーボンナノチューブよりも、優れた導電性の複合材料が得られます。また、銀と複合化させることでさらに導電性を向上させることにも成功しています。



以上



<本件に関するお客様からの問い合わせ先>

ユニチカ株式会社 総合研究所

TEL:0774-25-2293

E-mail:info-rd2@unitika.co.jp


<本件に関する報道関係からの問い合わせ先>

ユニチカ株式会社 広報グループ

TEL:06-6281-5695


※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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