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高分子事業
2019/1/ 9
車載/情報端末機器向け 高性能カメラモジュール用樹脂材料の開発について <車載カメラレンズ用透明・耐熱樹脂材料、鏡筒・筐体用精密成形樹脂材料>
ユニチカ株式会社(本社:大阪市中央区 社長:注連浩行)は、自動車並びに情報端末機器に使用されるカメラモジュールの高性能化に寄与する材料開発を推進しています。
当社のカメラ用樹脂グレードは、当社のコア技術である「コンポジット技術」をもとに開発を推進しており、その高い寸法精度と低発塵性・耐熱性等により、高解像度カメラ部品に幅広い採用実績があります。今後、自動車分野においては、自動運転・ADAS(先進運転支援システム)の進展により、ますます車載カメラの高性能化・高信頼性が必要となっています。また、情報端末機器分野においては、小型化・薄肉化や信頼性の向上が必要となっています。当社はこれらの市場での実績を生かし、さらなる高性能化に向けた樹脂材料を開発しました。
1.開発背景 (自動車分野)
自動車業界では、ADASの搭載が標準化し自動運転技術の実現に向け、カメラ、ミリ波、レーザーレーダーなどの各種センサーの開発が盛んになっています。車載カメラでは、自動運転時の物体検知能力を高めるために、高性能なセンシング用カメラの搭載が始まっており、カメラに求められる要求性能も、高解像度化や撮影範囲の拡大、低コスト化が求められています。
車載カメラレンズ用樹脂は、ビュー用の車載カメラにおいて、一般的にポリカーボネート樹脂や環状ポリオレフィン樹脂が使用されていますが、今後の本格的な普及にあたり、さらなる生産性に優れた樹脂材料のニーズが高まっています。
また、ビュー用カメラの鏡筒・筐体用樹脂は、ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下PPS樹脂)や、芳香族ポリアミド樹脂(以下PPA樹脂)が幅広く使用されていますが、センシング用カメラ向けとして、更に高い強度・耐薬品性・寸法精度などが要求されています。また、さらなるコストダウンや生産性の向上も求められています。
当社では以上のようなセンシングカメラ用のレンズ材料の高耐熱要求、鏡筒・筐体用樹脂の信頼性向上・生産の合理化要求に応じるため、独自にコンポジット技術を生かし、「車載カメラレンズ用樹脂材料」、「車載カメラ鏡筒・筐体用樹脂材料」を開発しました。
(情報端末機器分野)
情報端末機器は、機器本体の薄肉化、高機能化にともない、カメラモジュールの小型化、解像度・信頼性向上に対応すべく、高剛性、高耐熱、低発塵性の材料ニーズが高まっています。
アクチュエータ用樹脂としては、既存材料(LCP、PPA等)に対し、落下衝撃耐性、接着性、ウェルド物性、低発塵性の材料ニーズがあります。当社では、特殊なコンポジット技術を駆使し、鏡筒用途では、「Uポリマー」をベースに材料開発し、アクチュエータ用途では、「Uポリマー」、「XecoT」をベースに二種類の材料を開発しました。
2.各材料の特長
(1)車載カメラレンズ用樹脂材料
「Uポリマー」の高いガラス転移温度、透明性を生かし以下の特長を有しています。
①高耐熱性 :ガラス転移温度 175℃。
②耐熱変色性:高温環境での変色が少ない。
③光学特性 :ポリカーボネート樹脂同等の光線透過率・屈折率。
(2)車載カメラ鏡筒・筐体用樹脂材料
「Uポリマー」をベースに線膨張係数(以下「CTE」)を低減した車室内カメラ向け材料と、高耐熱ポリアミド樹脂「XecoT」をベースに、高い耐候性・耐薬品性等を実現した車室内外カメラ向け材料の二種類を開発しました。
A)車室内カメラ向け:「Uポリマー」<PT-7030>
配合するフィラーの最適化により、線膨張係数の絶対値が低く、かつ高温域まで線膨張係数が安定した、フロント上部のセンシングカメラに最適な材料です。
①低CTE :MD方向のCTEの絶対値が小さい。
②CTE安定性:~150℃まで線膨張係数が安定。
③低異方性 :線膨張係数、成形収縮率のMD・TD差が小さい。
B)車室内外カメラ向け:「Uポリマー」<AXGM-4500-30>
「XecoT」<XG510A30D>
<AXGM-4500-30>は、コンポジット技術により、[Uポリマー]の特長である耐候性、寸法精度、耐熱性、ウェルド耐性に、耐薬品性、高い機械物性を付与し高次元でバランス化した材料です。
①耐候性:「Uポリマー」由来による良好なUVバリア性。
②寸法安定性:耐熱性・高寸法精度の「Uポリマー」と低吸水結晶性樹脂のアロイ。
③ウェルド耐性:PPS比較良好な曲げ破断強度。
<XG510A30D>は、「XecoT」に由来する高結晶性と、長鎖のジアミンによる低吸水性により、以下の特性を有します。
①耐薬品性:高結晶性に由来し、ポリアミド樹脂中最高レベルの耐薬品性。
②寸法安定性:長鎖ジアミンによる低吸水性。
③低温金型性:金型温度100℃以下でも十分に結晶化促進。
(3)鏡筒・アクチュエータ用樹脂材料:「Uポリマー」<PS-7020A>
<PS-7020A>は、薄肉化に適応した流動性と、「Uポリマー」の耐熱性、特殊フィラーコンパウンドによる高剛性と低発塵の両立を実現した材料で、以下の特長を有します。
①耐熱性 :高温下、高温高湿下放置後も高い寸法精度を有する。
②寸法精度:特殊フィラーにより低異方性を実現。
③低発塵性:ガラス繊維比較ゲート部の発塵性が少ない。
(4)アクチュエータ用樹脂材料:「XecoT」ADシリーズ
ADシリーズは、「XecoT」由来の低吸水性に加え、樹脂アロイによる接着性・ウェルド強度改良と、特殊フィラーによる低発塵性を有した材料で、以下の特長を有します。
①低発塵性 :特殊フィラーにより、既存樹脂に比べ低発塵性を実現。
②易接着性 :特殊樹脂アロイにより、既存樹脂より良好な接着性を有する。
③ウェルド強度:ウェルド強度保持に最適な樹脂組成設計。
3.今後の展開について
各材料につきましては、自動車、情報端末機器それぞれの分野での採用実績をもとに、日本のみならず東アジア各国の顧客をメインにスペックイン活動を推進します。
また、これらの材料については、以下2つの展示会への出展が決定しております。
<第11回オートモーティブワールド ~第9回 クルマの軽量化技術展~>
日程:2019年1月16日(水)~1月18日(金)
会場:東京ビッグサイト 東7ホール 小間番号 E70-112(ユニチカブース内)
<第33回CHINAPLAS2019 ~第33回中国国際プラスチック・ゴム工業見本市~>
日程:2019年5月21日(火)~5月24日(金)
会場:中国・広州・琶洲・中国輸出入商品交易会展示館
以上
<本件に関するお客様のお問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 樹脂事業部 エンプラ営業部
エンプラ第一グループ(東京) TEL:03-3246-7598
エンプラ第二グループ(大阪) TEL:06-6281-5541
エンプラ第三グループ(名古屋) TEL:052-971-3781
<本件に関する報道関係のお問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 広報グループ
TEL:06-6281-5695
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