※ご覧になるにはAdobe Acrobat Readerが必要です。
こちらからダウンロードしてください。
高分子事業
2022/9/ 1
『イミド系エポキシ硬化剤』の開発について
ユニチカ株式会社(本社:大阪市中央区 社長:上埜修司)は、エポキシ樹脂に耐熱性と柔軟性を付与可能な新規エポキシ硬化剤を開発しました。
本開発品は、耐熱タイプと柔軟タイプを作り分けており、これらを併用することで、耐熱性と柔軟性を両立するエポキシ硬化物を得ることができます。また、東京都市大学との共同研究により、これらの開発品を用いることで硬化物に高い絶縁性を付与することが可能となりました。
1.開発の背景について
近年、IoT、5G、ADAS等の開発が進んでおり、エレクトロニクス部品は大容量・高速通信に対応すべく、あらゆる構成材料に対し高耐熱性・低誘電特性が望まれています。しかしながら、高耐熱性と柔軟性を満たすエポキシ樹脂は従来なく、高温領域での形状安定性(割れ・反り・剥離の防止)の保持が課題となっていました。
そこで、当社では独自の製造プロセスにより、耐熱性と柔軟性を両立する新規エポキシ硬化剤を開発しました。
2.『イミド系エポキシ硬化剤』の特徴
新たに開発した『イミド系エポキシ硬化剤』を硬化剤として用いることで、イミド成分をエポキシ樹脂に簡単に導入することができ、イミド基の効果でエポキシ硬化物の性能が向上します。今回、分子構造を設計し、耐熱性、高靭性(高強度)、低誘電特性を付与可能な「耐熱タイプ」、柔軟性(低弾性率・高伸度)、低誘電特性を付与可能な「柔軟タイプ」の2種類の硬化剤を開発しました。それぞれ単独での使用で特徴を付与することが可能ですが、これらを併用することにより、耐熱性と柔軟性を両立させたエポキシ硬化物が得られます。
また、東京都市大学との共同研究により、酸無水物系、アミン系といった他の硬化剤を使用したものに比べ、高温高電界下でも高い絶縁性を付与することが可能となりました。
図 イミド系エポキシ硬化剤
『イミド系エポキシ硬化剤』の性状、及び硬化物の物性表
3.今後の予定について
当社が開発した『イミド系エポキシ硬化剤』は、エレクトロニクスをはじめとした幅広い分野において、エポキシ樹脂の耐熱性、柔軟性、誘電特性などの性能を向上したいといった要望にお応えすることができます。今後は社外のお客様との連携を強化し、研究開発を進めてまいります。
本件については、以下の学会にて発表予定です。
第53回 電気電子絶縁材料システムシンポジウム
(主催:電気学会 誘電・絶縁材料技術委員会)
日程:2022年9月5日(月)~7日(水) (発表日:9月6日(火))
場所:東北大学 片平さくらホール
以上
<本件に関するお客様からの問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 中央研究所
TEL:0774-25-2271
E-mail:info-rd2@unitika.co.jp
<本件に関する報道関係からの問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 広報グループ
TEL:06-6281-5695
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。