ニュースリリース 高分子事業

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高分子事業

2011/3/ 4

二酸化炭素を原料とするバイオマス由来ポリ尿素の開発について

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 ユニチカ株式会社中央研究所(京都府宇治市)は、独立行政法人産業技術総合研究所コンパクト化学システム研究センター(宮城県仙台市)と共同で、二酸化炭素とジアミンからバイオマス由来ポリ尿素を製造する技術を開発しました。再生可能なバイオマス由来ジアミンを用い、かつ地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を直接固定化できる効果もあり、世界初の究極の環境配慮型素材として訴求していきます。
 バイオマス由来ポリ尿素は、水素結合性の高い尿素結合に起因して、脂肪族ポリマーでありながらも高い耐熱性を示すため、エンジニアリングプラスチックとしての用途展開も期待できます。

1.開発の背景
 地球温暖化問題や石油資源枯渇問題が叫ばれる中、京都議定書においても二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量削減が求められ、一昨年の政府閣僚委員会においても、温室効果ガス25%削減の目標が掲げられております。こうした目標を達成するための手段の一つとして、石油資源由来のポリマー材料を、環境負荷の少ないバイオマス由来材料に置き換えていく取り組みは、ますます重要になってきます。ユニチカでは、これまでにもポリ乳酸やポリアミド11などのバイオマス由来材料の開発を進めておりますが、さらに積極的に二酸化炭素を直接固定化できる材料として、二酸化炭素とジアミンを原料に用いるポリ尿素に着目しました。現在、二酸化炭素を直接原料とするポリマー材料、中でもバイオマス由来材料は知られておらず、開発の意義は大きいと考えられます。今回開発したバイオマス由来ポリ尿素は、熱可塑性を示し、従来の硬化型の尿素樹脂とは異なり、有害物質であるホルマリンも使用しません。また、ジアミンとジイソシアネートからもポリ尿素は得られますが、反応の制御が困難であり、溶融成形加工も困難でした。

2.バイオマス由来ポリ尿素の特長について
 従来は、二酸化炭素とジアミンからポリ尿素を得るには高圧が必要であり、生産性やコスト面等から量産化は困難とされていました。今回、ユニチカはこの課題を解決すべく、高温高圧流体の反応で数多くの実績を有する産業技術総合研究所コンパクト化学システム研究センターの協力を得て、重合方法・重合条件を工夫することにより、10メガパスカル(約100気圧)以下の圧力でも高分子量で熱可塑性のバイオマス由来ポリ尿素を得ることに成功しました。バイオマス由来ポリ尿素は、尿素結合由来の高い水素結合性を反映して、耐熱性や機械物性などにも優れるため、既存のポリアミドなどのエンジニアリングプラスチックが使用される用途分野に適用可能と期待されます。また100%バイオマス由来かつ二酸化炭素固定にも貢献できる究極の環境配慮型素材といえます。

①究極の環境配慮型素材
 ひまし油や廃糖蜜などの再生可能なバイオマス由来のジアミン原料を用いるため、カーボンニュートラル材料であるのみならず、地球温暖化原因となる二酸化炭素を直接固定化できるという、これまでに類を見ない究極の環境配慮型素材となっています。

②優れた耐熱性
 バイオマス由来ポリ尿素は、尿素結合の高い水素結合性を反映して、類似のアルキル鎖長を有する脂肪族ポリアミドと比較して、20℃程度高い融点(220℃~300℃程度)を有します。さらに結晶化を促進することで、荷重たわみ温度(高荷重)が200℃以上と優れた耐熱性を示します。なお、原料組成の組合せを変更することで、融点を制御することも可能です。

③優れた電気特性
 電気絶縁性や電気特性にも優れています。

3.用 途
 バイオマス由来ポリ尿素は、自動車用部品、電気・電子材料用部品、繊維、フィルムなど幅広い用途への展開が期待されます。

4.今後の予定
 2014年までに製造技術を確立し、早期の実用化を目指します。

 なお、本開発は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクト平成21年度「化学品原料の転換・多様化を可能とする革新グリーン技術の開発」の助成を受けたものであり、成果の一部については化学工学会第76年会(3月22~24日、東京農工大学)および第60回高分子学会年次大会(5月25~27日、大阪国際会議場)で発表予定です。

<ポリ尿素に関するお客さまからの問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 中央研究所 重合・合成グループ
TEL: 0774-25-2282
FAX: 0774-25-2780

<ポリ尿素に関する報道関係からの問い合わせ先>
ユニチカ株式会社 IR広報グループ
TEL: 06-6281-5695

以 上


<参考資料>
○ポリ尿素の製法比較

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