ニュースリリース 高分子事業

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高分子事業

2021/11/ 8

サステナブルなライフスタイルに向けて「セルロースナノファイバー(CNF)含有ナイロン6樹脂」の開発について

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ユニチカ株式会社(本社:大阪市中央区 社長:上埜修司)は、強い、安全、サステナブルをコンセプトに、各種の成形加工に対応可能な「セルロ―スナノファイバー(以下「CNF」)含有ナイロン6樹脂」を開発しました。 本樹脂には、植物由来のCNFが高濃度に均一分散しており、軽量化と剛性を両立しつつサステナビリティとマテリアルリサイクル性を持つことから、自動車部材および電化製品、アウトドア用品等で高まる環境配慮の取り組みに寄与できます。



1.開発の背景について

環境意識の高まりを背景に、循環型社会を作る取り組みが各方面で展開されており、樹脂製品においてもサステナブルな材料への切り替えやリユース、リサイクル可能な製品へのニーズが高まっています。CNFは、植物由来のサステナブル材料として注目を集めており、近年、樹脂の強化フィラーとしての応用が、プラスチックのバイオマス化ニーズの一端を担うものとして、自動車業界をはじめとする各方面からの期待を集めています。CNFによる樹脂の高強度化には、高濃度かつ均一な分散が必要ですが、既存技術では未変性CNFの高濃度分散は困難であり、CNFに新たな化学物質を反応させる変性処理を必要としてきました。
当社は、重合技術により未変性CNFをナイロン6に配合する当社独自の技術にさらに改良を重ね、未変性CNFを高濃度に配合することで、さまざまな機械的特性を向上させた「CNF含有ナイロン6樹脂」を開発しました。



2.「CNF含有ナイロン6樹脂」の特徴について

新たに開発した「CNF含有ナイロン6樹脂」は、当社独自の重合技術の改良を経て、未変性のCNFが高濃度にナイロン6樹脂中に均一分散されており、その結果、ガラス繊維30%含有ナイロン6以上の剛性、低線膨張係数といった特徴を持つ優れた材料となっています。さらに、粉砕や再成形によるCNFの破断がなく、3回のリサイクル使用後においてもほとんど物性低下が見られません。
当社の「CNF含有ナイロン6樹脂」は他にも軽量性、加工性、耐熱性、石油由来材料削減などの特徴を有し、さまざまな用途において安全なサステナブル材料としての使用が見込まれます。









3.今後の予定について

当社が開発した「CNF含有ナイロン6樹脂」は、自動車、電気機器、建築材料、日用品、アウトドアなど、剛性を必要としつつ樹脂化および石油由来材料削減ニーズのある分野や、より安全な材料を使用したい、使用後の樹脂処分時の焼却残渣をゼロにしたい、リサイクル使用をしたいといったさまざまな要望に応えられる可能性があります。今後も具体的な用途を想定し、さまざまな分野での実用化に向けた研究開発を進めます。
今回の成果は、11月10日より開催される第30回ポリマー材料フォーラム(主催:高分子学会)にて発表予定です。



以上



<本件に関するお客様からの問い合わせ先>

ユニチカ株式会社 中央研究所

TEL:0774-25-2295

E-mail:Info-rd2@unitika.co.jp


<本件に関する報道関係からの問い合わせ先>

ユニチカ株式会社 広報グループ

TEL:06-6281-5695


※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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