安全衛生に対する取り組み
ユニチカグループでは、中央安全衛生委員会を中心として、「休業災害ゼロ」を目指した安全衛生活動を各事業所、各グループ会社で実施しています。グループ内の安全衛生担当者が参加する安全衛生管理者会議を年3回開催し、労働災害の解析と対策、全社的な課題への取り組み状況、法規制の改正動向などの情報を共有しています。
2023年度は、残念ながら11件もの休業災害が発生し、休業度数率は2.29と非常に高い値となりました。
このため、「作業手順が現場で守られているか」、「手順書に不備や不足はないか」を各職場で確認し、安全意識を高める活動をグループ全体で実施しています。
(注)調査対象
2018年度以前:国内主要事業所
2019~2022年度:国内全グループ
2023年度:海外を含む全グループ
優先課題(マテリアリティ)のKPI
休業災害発生件数(2023年度まで)
2023年度実績:11件(海外を含む全グループ)
休業度数率(2024年度以降)
2030年度目標:0.25(海外を含む全グループ)
従業員との対話
各事業所では、毎月、部署単位での安全衛生小委員会や事業所単位での安全衛生委員会を開催し、事業所や部署のトップと従業員との対話を実施しています。委員会では、グループ内で発生した労働災害などの情報共有、場内パトロールにおける指摘事項や改善状況、ヒヤリハット案件などを報告しています。また宇治事業所と岡崎事業所には「危険体感教育施設」があり、新入社員などを対象として、機械設備への巻き込まれや挟まれ、保護具の重要性などを模擬的に体感できる研修を実施しています。
防災活動への取り組み
中央防災対策委員会
「中央防災対策委員会」は、人事総務部担当役員を委員長とし、執行役員3名、法務コンプライアンス部長、情報システム部長、購買物流部長、グループ会社であるユニチカトレーディング(株)の事業企画管理部長および大阪本社事業場長、東京本社事業場長、宇治・岡崎・垂井事業所長の13名で構成されており、大地震などの災害による従業員や設備などへの被害を最小限に止めるため、防災組織、活動などの現状確認を行うとともに、事前対策の立案や実施の推進、指導などを行っています。
防災対策の強化
「従業員の命を守る」という基本的な使命と、「事業を継続する」というステークホルダーへの責任を果たすためには、東日本大震災のような巨大災害に対する備えが必要です。2021年7月にユニチカ防災対策要綱の改訂と防災体制および災害対策の整備を行い、2023年10月に中央防災対策委員会による2023年度防災委員会を実施し全社に防災の重要性を周知しました。
また、生産施設の安全管理を徹底する社内基準として「新設備などの安全衛生および環境に関する事前評価指針」を制定しています。設備の新設・改造などを行う場合は、この基準に照らし、設計時と完成検査時の計2度にわたり厳正な審査を行い、災害防止に努めています。
防災訓練の実施
ユニチカでは、2019年1月の宇治事業所における火災の反省を踏まえ、全社的に防災体制を見直して再発防止に努めています。
事故や自然災害に備えた訓練活動にも積極的に取り組んでおり、春や秋の火災予防運動実施時期には各事業所で訓練を実施して
います。
垂井事業所では、2023年11月29日に156名が参加し、総合防災訓練を実施しました。地震を想定した通報訓練や避難訓練、安否確認訓練と併せて、地下式消火栓を用いた消火訓練も実施しました。
岡崎事業所では、2023年11月17日に477名が参加し、防火防災総合訓練を実施しました。地震を想定した避難訓練のほか、応急救護や薬品流出、火災発生、従業員の閉じ込めなどさまざまなトラブルを想定した、本部隊と地区隊が連携して対処する訓練が実施されました。また、2023年9月21日には三交替の内の1組(36名)を対象に全体訓練を行い、その他の組については各部署、組で訓練を行いました。
宇治事業所では、2024年3月21日に578名が参加した事業所全体での防災訓練を実施しました。各部署でのシェイクアウト訓練から一次避難場所、三次避難場所への避難訓練を行い、併せて安否確認訓練を実施しました。
2023年度防災訓練(垂井事業所)
2023年度防災訓練(岡崎事業所)
宇治事業所における水蒸気噴出について
2023年10月10日早朝に宇治事業所発電設備の蒸気管が破裂し、水蒸気が噴出する事故が起こりました。事故による負傷者は無く、事故から6時間後には事業所への蒸気供給を再開し、製造への影響も軽微に抑えられました。なお、事故による白い物質の飛散を確認しましたが、速やかに第三者機関に健康影響評価を委託し、健康影響は考えられないとの見解を得ました。
その後の調査で、事故は破裂した蒸気管のあるボイラー内温度が上昇したために起こったことがわかりました。そこで、ボイラー内温度上昇で自動停止する機能を追加し、また、ボイラー事故教育訓練を行って、再発防止に努めています。
大規模災害への備え
ユニチカグループでは、大規模災害の発生によって電車などの公共交通機関が麻痺した場合に従業員が途中で帰宅困難者になったり、警察や消防の救助活動の妨げになったりすることを防ぐため、事業所内に一昼夜留まるよう「帰宅基準」を定め、災害対策用資器材や飲料水、保存用食品の備蓄を進めています。また、近隣住民の皆様からの応援要請や自治体からの協力要請に応えることができるよう体制を整えています。