人材育成と中核人材プール
教育体系の整備
従業員全体の能力の一層の底上げが、組織力の基盤をより強固にするとの考えから、教育体系を整備しています。人材育成においては、従業員のキャリアパスを踏まえた「OJT」がその幹であると位置づけ、若手社員のフォローアップと指導者に対する教育・支援をより効果的に行う仕組みとしています。「OJT」を補完する仕組みである「OFF-JT」では、階層別教育、機能別教育、グローバル人材育成プログラムを充実させています。
1人当たりの教育投資(*) | 30,344円 |
---|---|
1人当たりの教育時間 | 18.5時間 |
のべ受講者数 | 18,132人 |
のべ研修時間 | 42,270時間 |
*1人当たり教育投資=全教育投資/(国内全グループ従業員+海外駐在者)
中核人材の育成とプール
企業価値を高める次世代リーダーとなる中核人材について、特定の階層・領域における人材プールを策定し育成を図り、定期評価、個別育成計画策定、アサインメントの年次レビュー実施率100%を目指して取り組んでいます。将来の経営人材候補:「経営人材」、生産現場の中堅幹部候補:「生産幹部人材」、デジタル技術を活用した変革・改善を推進する人材:「DX人材」という3つの人材プールを定め、各人材プールに求められるポテンシャルを有した人材を選抜して育成を行うことによって、エンゲージメントの高い人材の確保が期待できます。
「経営人材」プールは、国内外拠点のトップを含むものとし、年功や過去の評価にとらわれることなく、職責にあった実力本位の人材を抜擢。育成においては実践的なビジネススキルを身に付けるために社外ビジネススクールへ参加する機会を与え、登用、異動、研修などの状況については定期的に代表取締役社長執行役員に報告を行って共有を図っています(年次レビュー)。将来のCEOサクセッションプランにもつながるものと位置付けて、 取り組んでいます。
「生産幹部人材」プールは、事業所採用者で入社後3年間実施される「若手技能職研修」修了者や、これまでに取り組みを進めてきた「技能向上推進」の育成対象者などの中から優秀者を選抜しています。技能の習熟やQC手法により現場の課題解決を図るという「技術」重視のOJT・OFF-JTに加え、リーダーひいては生産幹部人材に必要なヒューマンスキル、すなわち「人」に焦点を当てたプログラムを本格的に順次実施しています。
「DX人材」プールは、高度なデジタルトランスフォーメーションを実現する人材を育成し、IT人材の裾野を拡大することを目的としています。オンライン学習プラットフォームを使用し、学習コンテンツを4段階のスキルレベル(Level 0:「知識のインプット」、Level 1:「知っているから使えるへ」、Level 2:「使えるから業務改善へ」、Level 3:「業務改善から改革へ」)に設定し、育成を図っています。1年単位の継続した受講期間を設け、従業員による自律的なリスキリングやアップスキリングを推進しています。また、スキルレベルの指標(ラーニングパス、アセスメント)を用意し従業員へ公開しています。これにより、より高いレベルを目指す道標および測定ツールとして使用し、スキルレベルの向上と高度人材のプール化を進めていきます。
優先課題(マテリアリティ)のKPI
中核人材プールの年次レビュー実施率(ユニチカ)
2030年度目標:100%
2023年度実績:100%
組織風土・環境整備
CFTによる組織活性化
IT教育における裾野を拡大するとともに多様な人材が共に尊重し成長できる風土を醸成するために、CFT(Cross-functional Team:組織横断で編成されたチーム)活動を推進しています。
このCFTの取り組みは、縦割り型組織を崩すことも狙いの1つであり、また全社課題を見渡すことのできる職場環境を従業員に提供するきっかけにもなっています。2023年度は、「心理的安全性」「生産改善(AI)」「デジタルマーケティング」をテーマアップし、複数の事業部門、研究開発部門、管理部門の人材が参画しています。また女性を積極的にメンバーに選抜、リーダーに任命することで女性リーダーの育成の場としての役割も果たしています。
人事評価制度とローテーション
従業員がモチベーションやマインドを高く持って、能力向上とキャリア開発に取り組み自らの成長を図れるよう、さまざまな育成プログラムを展開しており、体系的・継続的に推進することにより企業競争力を高めていくことを目指しています。人事評価制度では、従業員の期待役割や能力開発目標を明確にするとともに、その役割に応えて成果を上げた者を公正に評価できるよう運用しています。具体的には、1年間のコンピテンシー・能力・役割の向上、成果達成、業務遂行プロセスの状況に基づき評価する人事考課や、年2回の目標管理制度に基づく業績評価などを実施し、昇給・昇格、賞与に反映します。上司によるフィードバックを通じて従業員の今後の能力開発を図っています。また、個々の従業員のキャリア開発はもとより、組織間シナジーを生み出しビジネスチャンスや業績の向上に繋げる狙いから「人事ローテーション」を実施しており、従業員の自己申告による配置希望なども踏まえながら、より効果的な運用を図っています。
従業員の健康
ユニチカ健康経営宣言
ユニチカグループでは2022年7月に「ユニチカ健康経営宣言」を策定しました。代表取締役社長執行役員のもと健康経営®※1を推進しています。以前から、メンタルヘルスや生活習慣病対策などの取り組みを進めていたことが認められ、ユニチカグループの一部※2は、2023年3月、2024年3月と2年連続で「健康経営優良法人」の認定を受けることができました。引き続き、会社、産業医、健康管理スタッフ、健康保険組合などが連携し、特定保健指導参加率の向上や喫煙率の低下をはじめ、さらなる従業員の健康維持増進を図っていきます。2030年に向けては「健康経営優良法人制度」の大規模法人部門で認定された企業のうち、健康経営度調査結果の上位500法人を示す「ホワイト500」の認定取得に取り組みます。
※1.「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
※2.ユニチカ㈱、日本エステル㈱、ユニチカトレーディング㈱、ユニチカテキスタイル㈱、
ユニチカグラスファイバー㈱、ユニチカガーメンテック㈱
ユニチカ健康経営宣言
私たちユニチカグループの経営理念は「暮らしと技術を結ぶことによって社会に貢献する」です。
私たちは、この経営理念を踏まえ、長期ビジョン(G-STEP30)において「お客様から選ばれ続ける企業」を目指しています。従業員の健康状況を把握し継続的に改善する取り組み(健康経営)は、ユニチカグループの企業価値を高める重要な投資です。私たちは、健康経営への投資に取り組むことが「お客様から選ばれ続ける企業」にとって必要だと考えます。
またこの取り組みは、健康的な生活を確保し、働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を促進するという観点で、サステナブルな社会の実現に寄与する、と私たちは考えます。
2022年7月 代表取締役社長執行役員
上埜修司
優先課題(マテリアリティ)のKPI
健康経営優良法人認定(ユニチカおよび一部グループ会社※)
2030年度目標:認定取得 ホワイト500
2023年度実績:認定取得
※日本エステル(株)、ユニチカトレーディング(株)、ユニチカテキスタイル(株)、
ユニチカグラスファイバー(株)、ユニチカガーメンテック(株)
メンタルヘルスの取り組み
厚生労働省の「労働者の心の健康保持増進のための指針」に基づいて、入社時および昇格時にメンタルヘルス研修を行い、従業員の「心の健康づくり」に積極的に取り組んでいます。また、毎年ストレスチェックを実施し、メンタルヘルスケアの一次予防として、高ストレス者にはストレスが軽減されるよう対応を進めています。
復職支援ガイドライン
長期療養から円滑に復職できるよう「復職支援ガイドライン」を定めています。
生活習慣病対策
35歳未満の定期健診時(年1回)では、法定項目ではない血液検査や心電図検査を実施し、中高年になる前から従業員自身が健康管理に関心を持つよう働きかけています。
感染症予防対策
インフルエンザ予防接種を各事業所にて実施し、従業員のインフルエンザ発症や重症化の予防に努めています。また、新型コロナウイルス感染症が蔓延した際には、テレワークの推進や感染防止対策を徹底するなど、事業活動の継続と安心・安全な職場環境の提供に向けた取り組みを強化しました。