高分子事業

ユニチカ株式会社（本社：大阪市中央区、社長：上埜修司）は、環境意識の高まりを背景に、サステナブルな社会の実現に向け、樹脂事業において3つのバイオマス原料を使用した樹脂を提案します。1つ目にトウゴマから作られた植物由来のスーパーエンプラである「XecoT_®（ゼコット®）」、2つ目にトウモロコシなどの植物資源からつくられた「テラマック_®」、3つ目に捨てるはずの卵の殻を再利用した「カラクル_®」です。植物や卵殻などのバイオマス原料を利用して資源を循環させることで、環境に貢献いたします。

１．バイオマスで環境に貢献する樹脂 「XecoT_®」

「XecoT_®」は、非可食で再生可能なバイオマス原料であるトウゴマから作られた、バイオマス度 50％以上のナイロン10T樹脂(PA10T)です。「XecoT_®」は、熱可塑性耐熱ポリアミドの中においては、耐熱性、結晶性、低吸水性、耐薬品性、耐摩耗性、電気特性、高品質のいずれをとっても世界最高レベルの性能を有するため、各種電気・電子部品、自動車用部品、耐熱フィルム、耐熱繊維等への幅広い用途展開が期待できます。また、バイオマス由来であることから、石油由来であるナイロン6(PA6)やナイロン 66(PA66)に比べ、CO₂排出量もはるかに小さい数値であり、地球温暖化や石油資源枯渇といった問題を解決する一助となると考えております。

２．バイオマスで環境に貢献する樹脂「テラマック_®」（ポリ乳酸）

「テラマック_®」は、飼料用のトウモロコシやサトウキビなどの植物資源から作られた、画期的な植物由来の生分解性樹脂になります。近年のプラスチック廃棄物問題の中で、コンポスト化などによる再資源化が可能な生分解性プラスチックが注目されています。なかでも再生可能な植物資源から誘導されるポリ乳酸は、すでに従来の石油系プラスチックの一部を置き換えています。

３．バイオマスで環境に貢献する樹脂 「カラクル_®」

「カラクル_®」は、"もったいない！"との思いから開発した、卵殻添加のバイオマス素材です。卵はわたしたちが日常で食している食べ物であり、様々な料理に使用されていますが、食品加工工場・割卵業社等から年間約 20万トンの殻が動物性残渣産業廃棄物として発生しており、約80%が焼却や埋め立て処分されています。カラクルは廃棄される卵の殻を再利用することで廃棄物削減や、CO₂低減を行える、画期的なバイオマス素材です。

４．今後の展開について

ユニチカグループでは、環境と共生するくらしの実現を優先課題の一つに掲げ、"for the EARTH"というテーマのもとグループ全体で製品づくりに取り組んでいます。当社は、環境配慮型へのニーズが日々高まる中、環境性能のカテゴリー化（バイオマス、リサイクル、リデュース）による理解促進と販売強化を推進することで、環境配慮型樹脂全体で売上高数十億円規模の商品群を目指します。